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日坂 〜 岡崎 まで
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日坂
小夜の中山    

夜泣石の話は ほんとかどうかわからないな
女の人が強盗に殺されるとき赤んぼうを生んで
この石が赤んぼうのかわりに大きな声でないたので
赤んぼうが助かったという話は
ほんととうその境目だと思うな
ぼくが考えてることをいうと強盗が女の人を殺すところまでがほんとで
石が泣く話より強盗が人を殺す話の方がこわいな
ダンプと強盗とどっちがこわいかというと
ダンプの方がうんと数が多いから そっちかな
掛川
小さな城 

むかしお城に住んでいたさむらいの大将は
軍隊の大将とちがって
部下をたくさんもってる人もすこししかもってない人もいたんだな
掛川の城は小さいので 部下もすくないし
あまりえらくない大将が住んでいたのかと思ったら
山内さんという あとで高知の城の大将になった人が
生まれてはじめて住んだ城がこれなんだな
おかあさんはいたのかな いたら一番喜んだのは
おかあさんかな 奥さんがいたとしたら どっちだろう
袋井
花の可睡 

ルンペンをしてるとき おまわりによびとめられて
どっかいい景色のとこはありませんかときくと
大てい そんなところはここにはない
早くほかの町へいけといわれたな
こんど袋井駅のそばの案内所で同じことをきいたら
可睡というお寺がいいといわれたな
このお寺にはいろんな花がうえてあるな
日本の花もあるし西洋の花もあるし
一年じゅう花が咲いてるから お寺まいりより
花見物のお客が多いかもしれない
磐田
天龍川    

川には景色のいいところがたくさんあっても
歩いて見物するのはむずかしいな
川にそって鉄道線路のあるところは
トンネルがたくさんあって 線路を歩きにくいな
ちょっとの間だったけど
天龍川を舟でくだったことがあるけど
これはよその人にのせてもらったので
自分ひとりでのれば 
うんとお金をとられるからだめだな
ぼくはただで乗っても
舟が岩にぶっつかりやしないか心配で
あんまり景色はみてられなかった
浜松
砂丘の風    

浜松の砂丘は鉄道からだいぶはなれてるので
こんな大きな砂丘があるとは知らなかったな
砂丘のなかを歩いてると 海より広いみたいだな
鳥取にも大きな砂丘があって
なん年か前にスケッチしたことがあるけど
砂丘はどこでも風がふくもんだな
でも風のふき方がちがうみたいだ
鳥取の砂丘の風は日本海から吹くので
あらい砂が顔や手にあたっていたいみたいだ
ここの風は女の人や子供でも平気だな 空も青いな
舞阪
弁天島    

舞阪の町はどこへいっても海のにおいがするな
小魚のほしてあるにおいだの
貝がらのにおいだのして
ずっと前に魚屋に奉公してたときのことを思いだすな

弁天島の宿屋はみんな西洋式になって
ここからみるとヨーロッパみたいだ
ヨーロッパのどこににてるかというと
ぼくが知ってるのはコペンハーゲンから
スウェーデンの町をみたときの景色で
よるくればもっとそっくりかもしれない
新居
関所あと   

人に知られないようにこっそり歩くには
山道か野原の方がいいな
舟や渡し場はとがめられやすいものな
放浪してたとき
種ヶ島を見物にいこうと思って船にのったら
島の舟つき場でおまわりにつかまって
どこも見物しないでおい返されたんだな
むかしの東海道は一本道だから
ここを通るひとは必ず舟にのるんだな
舟にのる前か舟からおりたばかりで
ここでしらべられるとにげるわけにいかないな
困った人もいるだろうな
白須賀
汐見坂    

乗物によって景色のみ方がちがうな
飛行機は上からながめる景色で
はじめて乗せてもらったときは
めずらしかったけど
あっという間に景色がかわってしまう
ゆっくり景色がみれる乗物は鈍行の汽車かな
好きなところでとまって景色をみれるのは自動車だから
東海道でも自動車が多いな
自動車が多いから自動車の休み場所も多いので
大てい景色のいいところにあるな
汐見坂ってのは休むのにちょうどいい場所にあるんだな
二川
さまざまな岩    

どこでもさがせば
おもしろい景色ってのがあるんだな
ニ川って町ははじめてなので
ふつうのおとなやふつうの子供が住んでいるな
町のうしろにある山にいろんな岩があるんだな
あんまりいろんな形の岩があるもんで
どれを描こうかまよっているうちに
くたびれてしまった
下へおりて道からながめると大きな岩しかみえないな
立岩という名で中国の山みたいだといわれたので
これを描くことにしたんだな
豊橋
豊橋の城    

お城というのは日本式の古い建物で
ずっと昔からあるのかと思ったら
みんな新しいのはどういうわけかな

ここのお城は新しいけど
小さくてかわいいな
ずっと昔 千姫という女の子が
この城に住んでいたという話をきいたけど
かなしい話みたいだったな

小さな城のそばに白いサザンカが咲いてるな
ぼくはいまは傘をもってるけど
サザンカは雨にふられて つめたそうだな
豊川(番外)
いなりさまの大将    

雨がふってるのに
ずいぶんたくさんの人が見物にきてるな
見物じゃないのか おまいりに来てるので
おまいりするとなにかいいことがあるのかな

ぼくは放浪してたときここへ来たことがあるけど
やっぱりおまいりじゃなくて見物だったな
ただの見物じゃなくて
あっちこっちでご飯だのお金だのもらって歩いたな
ここの神様はいなり様の大将だという話だな
町のひとはわりかし乞食にしんせつだったな
御油・赤坂
泊まりたくなる町    

御油という鉄道の駅はいまは名前が三河御津になって
むかしの御油は御津町でなくて豊川市で
そのすぐそばの赤坂は音羽町で
御油も赤坂も町の様子がとってもよく似ていて
なんだか頭のなかがごちゃごちゃになるな
名前の方はこんがらがってるけど
町は両方ともさっぱりしていい町だな
ぼくは放浪してるとき
めったに宿屋にとまったことがないけど
この町なら値段が安ければ とまってもいいな
藤川
町はずれ    

このあたりにくると東海道がちゃんと二本にわかれてるな
トラックやダンプの走りやすい広い道と
人間や自転車の通る松並木の道があって
人間はみんな松並木の方がいいだろうな
ぼくは大てい駅の近くをぶらぶらしたから
町はずれの景色はあんまり知らないな
町はずれってのはさびしいところが多いな
それでも夕方道を歩いてきて
町はずれまでつくと
いよいよ町だと思ってほっとすることもあるんだ
岡崎
矢矧橋    

大閤さんの子供のときの名が日吉丸なんだな
日吉丸はほんとにルンペンみたいなことをしてたんだな
昔ここにかかってた橋の上でどろぼうといいあいしたんだな
どろぼうはひとりじゃなかったんだな
ぼくならどろぼうの通りそうな橋の上なんかねないな
駅の待合室でどろぼうにあうことはめったにないな
それでも一ぺんだけど
おまわりにぼくがどろぼうとまちがえられて
二晩ろう屋にとめられたことがある
災難というんだな
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文章はデジカメで盗み撮りし、拡大写真を見ながら起こしているので、一部の漢字が
間違っているかもしれません。もし何か変な所に気づいたらメールでこっそり教えてください。
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